山岡鉄舟 剣禅話を読む。
シンプルなのに骨太なメッセージがつまった本でした。
自分の器が計られる思いがした。
自分もそうそう同じパターンの過ち(うず)にばかり巻き込まれてもいられない。
講師業や居合の修練から得られる気付きも、けっきょくのところ、
なんのための修養なのだろうかとこの本を鏡に反省をさせていただいた。
因果に振り回されるばかりの凡愚を脱し、自分自身が辛苦して玉の汗にまみれてのち手に入れるべきものを手にする。
それは決して他から受け取るようなものではない。
迂闊なおめでたさをひたすらそぎ落とすような修養と修練を貫くことでしか達成できない境地であろう。
鉄舟師の体現したという自分の内なる森羅万象を統治する『心の王』とシンクロするという表現に惹き付けられる。
『自分の内なる宇宙の王になることが自分を治めること』というような、強くてシンプルな表現力を見習いたい。
そのためにも自分に与えられている本分をしっかり自覚し、これを妙道として尊信することで、大いに踏ん張って本業を極めるべし!
自分の中にこそ追い求めるべき道も光明もある。
そういう骨太なメッセージとして受け止めることができた。
努力賞をいただく
11月23日は綾瀬の東京武道館で開催された第14回 関東甲信越居合道大会に参加してきました。
東京、神奈川、山梨、栃木、茨城、埼玉、群馬、新潟までにまたがる県から選手がぞくぞく集まり、参加人数は1000人を超えていたようでした。
昨年初段での参加時には一回戦であっさり敗れてしまった個人戦でしたが、今年は5人同時の対戦形式の演武で二回戦に進むことができました。
この大会の個人戦は決勝戦のようなカタチでは無く5人同時に対戦後、勝ち抜いた者どうしの5人でまた演武対戦し、結果を審査員が審査した後、各賞が授与される形式でした。
結果、二段の部の個人戦で努力賞をいただけました。
二回戦に進んだらもらえる賞ということで。
素直に嬉しかったです。
思えばこの秋にかけて参加した大会では成績が振るいませんでした。
多摩大会では三回戦まで進んで三位決定戦で敗れ、八王子大会ではまたしても初戦から昨年度優勝者と当たり判定二対一で敗れました。
くすぶった気分で「どうにも勝ち進めません、自分にはナニが足りないんでしょうか…」と師にもらした時に、『勝とうとか、いい格好を見せようと するんじゃなく、日頃の稽古を素直に出せるように、ただそれだけを思って稽古を続ければ良い!自分の技を練り上げ、精度を上げていく、ただそれだけでしょ。』『私もよくそうやって欲を出しては師匠に叱られてた!(笑)』との言葉をいただきました。
「ああそうでありました!絵の道ともおんなじ…」と腑に落ちるものがあり、これまでよりも少しは雑念 も振り払われた状態で稽古を続けられました。
そしてこの大会にも臨むことができたように感じています。
今回も演武中に失敗をいっぱいしましたが、こういう大舞台で演武することにも場数をふんで慣れていく、あたりまえのこととして受け止めていく。
そういうことに意味があるのだと途中で気持ちも切り替えることができました。
大舞台にも慣れることで、いちいちおたおたあたふたとしなくなる。
まずはそれが大事だなと。
なににつけても我が出過ぎるのは美しくないのだ。
卑屈なひねこびた謙虚さも然り。
わかっちゃいるけど、にんげんですもの。
欲や不安が吹き出物のようにことあるごとにでてきちゃいます。
ふりはらっても、ふりはらっても。
兄弟弟子のK氏は、日頃の稽古の成果なんだから胸はっていいんですよ、と励ましてくださった。
多摩大会では決勝まで進んだK氏でしたが、今回は同じ段位の別トーナメントで演武し、自分だけ二回戦に進めました。
打ち上げ会でご報告をさせていただき、師匠もとても喜んでくださいました。
いろいろしんどいこともあるけど吹き飛ぶ瞬間でした。
これからも仕事に居合に励んでいこうと思えます。
こういうご褒美もあるから続けていけるんですね。
感謝です。
審査
9月12日の審査で無事合格し弐段に昇段できました。
はじめの刀礼や技など際どい場面もありましたが…
なんとか持ち直せてよかったです。
上せてしまわないよう肚に意識が座るようにイメトレしながら臨みました。
合格できて素直に嬉しいです。
稽古ではいつも懇切丁寧にご指導してくださったY先生に心より感謝いたします!!!
自分への褒美に稽古に使う刀の替え鞘をちゃっかり購入しました♪
大会
居合の大会は一回戦負けでした。
大会の後のおつかれさま会では沖縄料理のお店へ。
Y先生が自分の居合を『安心して見ていられた』と言ってくださる。
関東甲信越大会
居合の大会。
一回戦負けでした。
最初の試合は同年代の方々5人で演武し1人が勝ち残る形式でした。
くやしいといいますか…力不足、稽古不足だったのだなあと。
立ち向かう気持ちを自分自身が誤摩化していることが露顕したように感じる。
大会後、T先生とY先生同門のお弟子さんたちと沖縄料理店でお食事会といいますか反省会に参加。
つい軽口をきいて、それをすぐさま訂正した自分にY先生が突っ込む。
『酔った勢いだろうが、しらふだろうが関係ない。
いつでも自分の真実を話さなくちゃ意味がない。
居合をやって自分を磨く意味もそこにあるはずよ。』と注意を受ける。
痛い言葉でした。
真実の自分と向き合っていない自分を突きつけられた気がする。
もっとおめでたさをそぎおとせ。
自分の本分とは
これだけは譲れない自分の本分というものをいざという時に提示できるような人間としての威力が自分にはカケラもないのか。
そう思うことがこのところ続きました。
自分を甘やかし、世間の厳しさからも目をそらし、お目出度くこれまでを生きてきた生温さが見透かされていただけのことなのだと実感します。
自分の本分を極める生き方とは?
自分の命の使い方の極意とは?
これまでの己の生き様の生温さが見透かされているだけ。
そう気付いた今から、この足もとから変えていくだけ。
自分の目を眩ませるモノを取り除き、自分の本分を発揮できる環境を取り戻すことだ。
そして、これから残りの人生において真っ向から向き合え、正しいと信じられることに自分の命を使うこと。
そのことにつきる。
H市の大会
自分に勝った方が優勝する。
結果は3位。今回も銅メダルをいただきました。
兄弟弟子のK氏は決勝で惜しくも敗れ2位でした。
居合にはその人間性が出る。まるで鏡のようです。
正確さ、エレガントさ(美しさ)、威力。
この3つを全て文句のないレベルまで昇華させるべく稽古を重ねるしかないと痛感した一日でした。
昇段審査
この日は初段から五段までの審査がありました。
僕は五人一組でおこなう審査の二番手だったので開会式後あっというまに出番がやってきました。
後列だったせいもあり、あまりあがらずにいつもの稽古に近い演武ができました。
やはり師匠の計らいで大会などに積極的に出場し、場数を踏むことができたことも功を奏しているのかもしれません。
演武を終えて真っ先にT師匠のところへ駆けつけると「よくできてました、だいじょうぶです。」と審査結果が出る前にお墨付きをいただきました。笑
あんまり褒めてくれたりする師ではないので正直びっくりでした。
残りの兄弟弟子たちの審査をはらはらとした気分で見学しました。
T先生の弟子で今回昇段審査を受けたのは初段四人、二段二人、三段二人でした。三段を受けたおひとりだけ失格で半年後の審査で再挑戦ということになり、あとの全員は無事合格することができました。
今回の審査から演武は指定技になったせいなのか技を間違える方も多かったようでした。
さすがに四段、五段の審査になるとハードルは高くなり昇段できない方もずいぶんいたみたいです。
演武会場の受付横には刀剣屋さんの出店があり、模擬刀や真剣が手に取って見ることができるようにして売られていました。
拵え付きの日本刀だけでなく鍔やハバキ、下げ緒などの装飾品も多数展示販売されていました。
なんと柄巻き用の革紐と親粒付き鮫革までありました。
ネット購入より安い値段だったので自分に合格のご褒美ということにして購入してしまいました。
いったい何に使うんだと兄弟弟子に突っこまれ、木刀の柄に革紐の柄巻きを試みますと答えると師匠も含めて皆にあきれらました。しぶいの作ってやるぞという野望が!笑
打ち上げはM市の小料理屋さんで盛り上がりました。
巨体の外国人たちがはめをはずしすぎてお店や他の客に迷惑だったかなというくらい騒いでました。僕らのいる空間だけホント日本じゃなかった。苦笑
この昇段審査のために来日し、無事三段に合格できたLさんが僕に入れ墨のデザインをしてくれと頼んできた。
現在29歳のLさんは2年前まで某N◯VAで英会話講師をしながら日本に滞在し、T師匠に居合を毎日のように熱心に習い奥居合までマスターしてオーストラリアに帰っていったそうだ。
酔った勢いで頼んでるんでしょ?お国のお母さんが泣きますよ!とゼスチャーまじりで伝えるともうすでに鳳凰と龍が単体で右腕に彫ってあってそれを Tシャツをぬいで見せてくれた。Lさんの考えでは胸から腕に絡むように鯉の滝登りを水しぶきとともに彫り、すでに彫ってある龍と鳳凰も一つの絵であるかのようにまとめたいのだそうだ。
デザインだけ僕に頼みたくて彫るのはオーストラリアの彫り師だという。
日本の入れ墨をデザインしてくれるところへも行ってみたがなっとくできなかったらしい。
師匠に渡してあったハガキサイズの作品集に龍に乗った少年のイラストがあり、それを見たLさんは自分に頼みたいと考えたのだそうだ。
Lさんは結構真面目だった。
実は前日の錬成館の稽古の時にも僕にタトウーのデザインおねがいしますといっていたのでてっきり冗談だと思っていたのだ。
受けるとしたらこれは責任重大です。
でも、これも縁だしアイデアラフだけでも描いてみましょということに。
入れ墨デザインなんてはじめてです。
米軍基地ではたらくDさんも便乗して自分の腕にも彫りたいからデザインをおねがい!といってきた。
もう髑髏がすでに肩からひじにかけて彫られている。
これ以上腕に彫ると演武の時に道着からはみ出しますよ!と伝えてもらう。
師匠からもそういう入れ墨はダメだ!と注意されショボンとしていました。
なんだかウオリヤーな方たちとお近づきになるのは自分の世界も広がるようでわくわくできます。
居合道大会に参加
T市の居合道聖大会に参加させていただきました。
稽古不足なままの参加を気にしていましたが、
おかげさまで一般無段の部で三位をいただきました。
準決勝で同門のDさんに判定2対1で敗れました。
Dさんが銀メダルで僕が銅メダル。
お互いにグッジョブ!と握手。
お師匠と記念写真です。
一級審査に合格
もよりの駅で朝7時15分に待ち合わせる。
米国人3人とニュージーランド国籍の中国人、先生方と自分も入れて7人で移動。
今日審査を受けたのは巨体の米国人2人と自分の3人だけであとの2人の新弟子は向学のための見学ということでした。
JR中央線でお茶の水までいき千代田線に乗り換え、綾瀬の武道館まで約1時間半かかった。
東京武道館の2階のスペースで審査はおこなわれた。
4月に参加した第46回居合大会の時のメイン会場より小さめのスペースでした。
年齢の若い順に演武が始まる。
今回の審査では11歳から72歳まで約100名の参加ということでした。
僕のゼッケンナンバーは64番でした。
五人一組で演武をし、審査を受けることになるので、だいたい近い年齢の方々と組むことになります。
いっしょに審査を受ける米国人のお弟子二人のうち一人が自分と同じグループでした。自分より一歳だけ若いということを知ってちょっと驚く。剣道では3段の有段者なのだという。他の新弟子さんたちも剣道の稽古もしている方々なのだそうだ。
専門校の居合部のO先生も学生の級審査の付き添いでいらしてたので挨拶する。
自分の番が近づくと、さすがに緊張するものだなあとヒリヒリとしたその感触を味わいながら待つ。
米国人のお弟子二人がユーモアたっぷりのジェスチャーで自分も緊張してると表現してくれる。お互いにベストをつくしましょう、とカタコトの日本語と英語で伝え合う。
なんと自分は日の丸の国旗の前に設置された五人の審査員の座るテーブルの真ん前の真ん中での演武と相成った。
業が小さめになったり心配だった刀礼で多少もたつきもあったかもしれないが、ほぼいつもの稽古のとおりに演武できたと思う。
審査で共に演武した五人で輪になっての正座でお互いに礼をし、ゼッケンをお返しした。
Y先生は「よかったわよお!」と仰ってくださる。
先に演武を終えていた米国人のお弟子さんからも「グッジョブ!」と声をかけてもらう。
T先生は無言でしたが、しっかり僕らの演武をご覧になっておられたようでした。
みんなで記念写真をとったりして審査の終わるまでの時間を過ごす。
朝9時に会場に入場してからお昼の12時半ごろには合格発表がありました。
無事三人とも一級審査に合格できました。
免状をいただき、さっそく先生方に報告にいきました。
T先生から『おめでとうございます』というお言葉をいただきました。
その後、先生方やお弟子の皆さんとお茶の水の和定食屋さんでジョッキ生で祝杯をあげ、お食事をいただいてから家路につきました。
「このペースと集中力で稽古を続けていければいい結果も望めるでしょ。
まずは3ヶ月後の初段審査に向けてじっくり制定居合12本のすべてをおぼえていくことになるわよ。」とのY先生のことばに静かに内圧が高まる思いがしました。