昇段審査

綾瀬の東京武道館に居合道の昇段審査を受けにいきました。
この日は初段から五段までの審査がありました。
僕は五人一組でおこなう審査の二番手だったので開会式後あっというまに出番がやってきました。
後列だったせいもあり、あまりあがらずにいつもの稽古に近い演武ができました。
やはり師匠の計らいで大会などに積極的に出場し、場数を踏むことができたことも功を奏しているのかもしれません。
演武を終えて真っ先にT師匠のところへ駆けつけると「よくできてました、だいじょうぶです。」と審査結果が出る前にお墨付きをいただきました。笑
あんまり褒めてくれたりする師ではないので正直びっくりでした。
おかげさまで居合道初段審査に無事合格できました。
残りの兄弟弟子たちの審査をはらはらとした気分で見学しました。
T先生の弟子で今回昇段審査を受けたのは初段四人、二段二人、三段二人でした。三段を受けたおひとりだけ失格で半年後の審査で再挑戦ということになり、あとの全員は無事合格することができました。
今回の審査から演武は指定技になったせいなのか技を間違える方も多かったようでした。
さすがに四段、五段の審査になるとハードルは高くなり昇段できない方もずいぶんいたみたいです。
演武会場の受付横には刀剣屋さんの出店があり、模擬刀や真剣が手に取って見ることができるようにして売られていました。
拵え付きの日本刀だけでなく鍔やハバキ、下げ緒などの装飾品も多数展示販売されていました。
なんと柄巻き用の革紐と親粒付き鮫革までありました。
ネット購入より安い値段だったので自分に合格のご褒美ということにして購入してしまいました。
いったい何に使うんだと兄弟弟子に突っこまれ、木刀の柄に革紐の柄巻きを試みますと答えると師匠も含めて皆にあきれらました。しぶいの作ってやるぞという野望が!笑
打ち上げはM市の小料理屋さんで盛り上がりました。
巨体の外国人たちがはめをはずしすぎてお店や他の客に迷惑だったかなというくらい騒いでました。僕らのいる空間だけホント日本じゃなかった。苦笑
この昇段審査のために来日し、無事三段に合格できたLさんが僕に入れ墨のデザインをしてくれと頼んできた。
現在29歳のLさんは2年前まで某N◯VAで英会話講師をしながら日本に滞在し、T師匠に居合を毎日のように熱心に習い奥居合までマスターしてオーストラリアに帰っていったそうだ。
今は癌に効くワクチンを研究する科学者をしている。
酔った勢いで頼んでるんでしょ?お国のお母さんが泣きますよ!とゼスチャーまじりで伝えるともうすでに鳳凰と龍が単体で右腕に彫ってあってそれを Tシャツをぬいで見せてくれた。Lさんの考えでは胸から腕に絡むように鯉の滝登りを水しぶきとともに彫り、すでに彫ってある龍と鳳凰も一つの絵であるかのようにまとめたいのだそうだ。
デザインだけ僕に頼みたくて彫るのはオーストラリアの彫り師だという。
日本の入れ墨をデザインしてくれるところへも行ってみたがなっとくできなかったらしい。
師匠に渡してあったハガキサイズの作品集に龍に乗った少年のイラストがあり、それを見たLさんは自分に頼みたいと考えたのだそうだ。
Lさんは結構真面目だった。
実は前日の錬成館の稽古の時にも僕にタトウーのデザインおねがいしますといっていたのでてっきり冗談だと思っていたのだ。
受けるとしたらこれは責任重大です。
でも、これも縁だしアイデアラフだけでも描いてみましょということに。
入れ墨デザインなんてはじめてです。
米軍基地ではたらくDさんも便乗して自分の腕にも彫りたいからデザインをおねがい!といってきた。
もう髑髏がすでに肩からひじにかけて彫られている。
これ以上腕に彫ると演武の時に道着からはみ出しますよ!と伝えてもらう。
師匠からもそういう入れ墨はダメだ!と注意されショボンとしていました。
なんだかウオリヤーな方たちとお近づきになるのは自分の世界も広がるようでわくわくできます。

 

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